森の書庫

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精神科の薬がわかる本/ 姫井 昭男

☆☆☆☆

初学者向けの向精神薬テキスト

 
著者は精神科医の姫井昭男氏です。
本書は初学者向けにまとめられた向精神薬のテキストです。

姫井昭男氏は93年に大阪医大を卒業後、精神科医としてキャリアを重ねました。
2010年にPHメンタルクリニックを開業し、難治の患者やセカンドオピニオンなどにも対応しています。

本書は著者の長年の知見が結晶化したもので、精神薬を基本から解説したテキストです。
2008年に初版が出版されてから改訂を重ね、第4版まで続くロングセラーとなっています。
内容は抗うつ薬睡眠薬抗不安薬抗精神病薬、抗てんかん薬、認知症治療薬などです。
それぞれ症状、歴史、作用機序が説明され、薬剤の使用法についても著者の臨床経験を元に解説されていました。
安易に投薬することを戒め、後の減薬を含めた出口戦略など類書とは異なる独自の視点からも言及されていました。

本書はこのように精神薬について、わかりやすい言葉で綴られていました。
通読することで、精神科系の処方薬はほとんど理解できると思います。
専門家だけでなく一般の人が読んでも理解できるようにやさしく説明されている好著で、おすすめです。