森の書庫

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フィジカルアセスメントがみえる /医療情報科学研究所

五感を使って診断する

 

本書は「フィジカルアセスメント(五感を使った診察技術)」を看護師向けに解説したものです。
好評を博している「看護師のための『見える』シリーズ」の三冊目にあたります。
全カラーページで、写真やイラストがふんだんに使われており、解剖生理を中心に診断に至る技術が説明されていました。
執筆陣も大学、病院の、熟練の看護師、医師、理学療法士らが協力しており、充実したものとなっていました。

内容は大きく分けて次のようなものです。
 総論:視診、問診、触診の基本と体温・呼吸などのバイタルサイン
 各論:頭頚部、呼吸器、循環器、腹部、筋骨格など、各部位ごとの診断

写真が豊富な上に、イラストはデフォルメされていて実物よりわかりやすく、透視図と合わせて内臓の位置関係が直感的に理解できます。
知識も解剖、生理、病理などが関連づけて説明され、検査や診断の目的なども記されているので効率的に学べます。
フィジカルアセスメントは総合診療にもつながる重要な知見で、これまで医師向けの書籍も手にとってきました。
本書はそれらと比較しても遜色なく、丁寧でわかりやすいものだと思いました。