森の書庫

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やさしくわかる看護ケアに役立つ画像の見かた /櫛橋民生

著者は櫛橋民生氏と藤澤英文氏の2人で、共に昭和大学横浜市北部病院放射線科に勤務する医師です。
本書は昭和大学が看護師向けに作成した「画像診断のテキスト」です。
X線、CT、MRI、超音波について、その原理と画像診断のコツがまとめられていました。

 内容は全5章で、次のような概要となっていました。
 第1章 画像診断の基礎知識
 第2章 各部位ごとの画像
 第3章 体内埋め込み機器の読影
 第4章 PET/CT
 第5章 画像診断で用いる薬剤

本書ではまず第1章で基本的な機器のことを学びます。
異なるシステムで体内透視する機器の概要が丁寧にまとめられていました。
第2章では各部位ごとに、疾患と画像診断の具体的な見方が解説されていました。
例えば頭部だと頭部外傷・頭部出血などの疾患ごとに、読影法やCTとMRIの使い分けについて整理していました。
第3章以降では、ペースメーカーやカテーテルの使用などの診断以外の分野での画像診断の利用状況、PETを使った新しい画像診断機器、画像診断で使用する薬剤について説明していました。

本書はこのように画像診断機器の概要と読影について解説していました。
機器だけでなく病気やその背景となる解剖生理について述べていて、立体的に知識が学べるように工夫されていました。
画像はそれぞれ個性があり一朝一夕には理解できませんが、初めの一歩を踏み出すきっかけになると思います。
このタイプの本はいくつか読みましたが、本書はその中でも特に優れたものだと思いました。