シャンプーをやめると、髪が増える/ 宇津木 龍一
本当に必要なかった!
著者は北里大学出身で形成外科を専門とする医師です。
本書はシャンプーを始めとする本来は皮膚に不要なもの、それどころか悪影響を及ぼす習慣について解説されています。
著者は頭部湿疹をきっかけにシャンプーを止め、水洗いによる洗髪を始めて既に7年以上経過しています。
この結果、湿疹だけでなく抜け毛や薄毛なども嘘のように回復しました。
著者はシャンプーに含まれる界面活性剤や化学薬品の細胞毒性が頭皮を痛めたせいだと推測していました。
界面活性剤は油脂を活性化して落としやすくする機能がありますが、皮膚バリアを破壊して頭皮を守る常在菌も死滅させてしまいます。
頭皮はこの状態を何とかしようと油脂を大量に補充するために、毛根への栄養を犠牲にして油脂腺を発達させます。
その結果、シャンプーを突然止めると髪をベトつきやすくしてしまうとしていました。
そこで著者はシャンプーの頻度を少しずつ減らし、石鹸シャンプーを併用しつつ頭皮を馴染ませて断シャンを実施しました。
そしてこのテクニックを同僚や患者に勧めたところ、多くはシャンプーを止めても健康な髪を保っていると報告してくれました。
シャンプー習慣が長い人の中には常在菌のバランスが崩れていて、急にシャンプーを止めることでマラセチアというカビが増えて化膿した例が少数あったとしていました。
また本書ではシャンプー以外にも化粧品が不要なこと、シェーバーなどに石鹸等は不要であることなども解説されていました。
私も数年来、お湯だけの洗髪を続けていますが、抜け毛やフケが激減し、髪も太くなり、自然な髪を維持できています。
ただしいきなり湯シャンにしたわけではなく、「シャンプーと石鹸シャンプーの日替わり」から始めて、「石鹸シャンプーのみ」、「石鹸シャンプーと湯シャン」、「湯シャンのみ」と1年近くかけて少しずつ移行しました。
初めはシャンプーに慣れた頭皮が油脂を大量に分泌するので、べた付きました。
それを少しずつ時間をかけて馴染ませていった感じです。
また髭剃りは本書を読んですぐに水剃りを試したのですが、いきなりでも石鹸なしで剃れたので感動しました。
この方法だとどこでも使えるし、シェーバーの耐久性も飛躍的に上がりました。
こうした常識の嘘や矛盾について、医療を入り口にして調べているのですが、予想以上にたくさんあって驚かされています。
本書は一般向けにわかりやすく解説されているのでサラっと読むことができました。