森の書庫

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「長生き」したければ、食べてはいけない!?/ 船瀬 俊介

少食の効果を熱く語る

様々な実例を挙げながら少食の効用を熱く説いた本です。
美食で苦しみの晩年を過ごした正岡子規、二週間もの間わずかな食事だけで元気に生還を果したチリ生き埋め作業員たち、少食で難病を治療する医師、不食のインド人行者などの例に挙げながら食事の量が健康に及ぼす影響をわかりやすく述べていました。

またこれらの実例が個人的にたまたま起こったケースでないことを証明するために、アメリカの有力議員がまとめたマクガバンレポートや、米英中の三国で行なった合同調査を総括したチャイナスタディで「過剰な食事が様々な疾患を招くこと、逆に小食を行なうことで疾病にかかりにくくなり、寿命が延びていること」がレポートされていたと紹介されていました。

そしてこのような事実から、未だ明らかになっていないものの著者が確信する少食に適応する人体のシステム、陰謀論に基づくマスコミの動向なども述べられていました。著者は元々消費、経済、環境問題を追及するジャーナリストで、随所に熱い想いが過激に述べられていました。とてもおもしろく、読了まであっと言う間でした。